ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

『フリクリ オルタナ』の感想


音楽ブログ?うるせーフリクリは音楽あってなんぼの映画だから良いんだよ!

観てきましたフリクリ
一応どういうアニメか書いとくと、元はガイナックスが2001年に作ったOVAで、そのアバンギャルド?な作風が主題歌&挿入歌を担当した我らがthe pillowsと共に大きく話題になった。そんな作品がなんと17年の時を超え新作を出すとは…これは観に行くしかないだろと、ネット上では賛否あったらしいけど俺は結構ガンガンハードルを上げて観てきました。


以降多少ネタバレ


いやー面白かった!!!

俺個人としては全然期待を裏切らない出来。OVA版のぶっ飛びっぷりを意識しつつも特に破綻もなく纏めていてかなり楽しめた。
ここからは色々感じたことをつらつら垂れ流して行きます。

1番感じたのがフリクリになくてはならないthe pillowsの役割の変化
OVA版はとにかく話がとっ散らかっててそれが長所かつ短所だったんだけど、それをpillowsの曲がググッとまとめ上げることで「スタイリッシュなアニメ」として成立してたような感じだった。
ただ今回の「オルタナ」に関しては「青春」というストーリーの軸がほとんどブレていなくて、pillowsの曲はあくまで話を支えるアクセントとしての役割に止まってたような気がした。OVA版ほどアニメと曲の共依存関係が無かったなと
だから欲を言うと「pillowsもっとゴリ押ししてもええんやで…」と言う気持ちはあった。事実pillows以外のBGMがやたらとpillowsぽくて、「それ使うならpillowsの曲にしなよ!」て思う所も割とあったし。
でも一方でpillowsの曲が使われる場面はやっぱり熱い、そしてEDに使われた新曲『star overhead』の破壊力はやばかった。この曲だけで一気に作品の評価が上がったもの。そう考えるとやっぱりpillowsはフリクリになくてはならない存在だなと感じるね。

そしてもうひとつ、「青春映画としてはバチクソ面白い」てこと。
急にラップ始めたりバスケやったりカーチェイスしたりメチャクチャやってるんだけど、「平穏な日常をかき乱されながらも自分を見つめ直して一歩踏み出す」っていう話の軸は最後までブレていなくてとても観やすかった。登場人物それぞれに自分なりの信念があって、全員に共感できたってのも大きかったな。友人とか恋とか将来とか、色んなことに悩みながら自分なりに答えを出す主人公たちの姿が眩しかったね〜

OVA版の焼き増しにならないようにしようっていう製作陣の心意気もあったと思うけど、OVA版のエッセンスを引き継ぎつつも全く新しい物語がそこにはあった。でも俺としては「もう1回観たい!」て胸張って言える作品だっただけでも嬉しかったな。
そんで次作「フリクリ プログレ」は果たしてどうなっていることやら。「オルタナ」とは結構作風違うらしい、楽しみやな〜

ディスクレビュー:Night Flowers『Wild Notion』


Twitterのフォロワーさんがオススメしていて聴いてみたら割と本気でハマってしまった。

イギリスのロックバンド、Night Flowersの1stフルアルバム。正直、「これが1stかよ…」てくらい完成度が異常に高い。シューゲイザーやポストロックを軸に置きながらも、ポップさを忘れないサウンドが、聴いていてホントに気持ち良い。夏夜のぬるい風に当たりながら聴くとサイコーなのだ。

正直、洋楽って曲単位で好きになることはあってもアルバムで好きになることがあまり無くて。レディへの『creep』とかクラッシュの『London calling』とか好きな曲は多いけど、いざアルバムになると大抵途中でだれてしまって後半の曲をほとんど聞き流しちゃうことが多い。それは俺の耳がまだ洋楽を聴くのに慣れてないってこともあるけど、多分アルバム自体の問題も多少はあると思うんだよね。アルバムの流れがあんまり意識されてないというか…そもそも通して聴くことを前提としてないというか…多分それは特徴みたいなもんだろうけど。

そんな中でこの『Wild Notion』、初めて洋楽のアルバムを本気で傑作だと思った。とにかくアルバムの流れが完璧。1曲目と2曲目がシームレスで繋がる瞬間の涼風が吹き抜けるような爽快感だったり、アルバムを終わりに近づけながらも深い余韻を残してくラスト曲『Cruel Wind』の長いアウトロだったり、ちゃんとアルバムがひとつの作品として成立してる印象を受けた。

そしてもちろん曲も最高。決して曲幅が広いわけではないけど、どの曲がリード曲になってもおかしくないくらい良曲揃い。個人的なお気に入りは3曲目の『Resolver』、のっけから超ポップなスキャットに一気に心を持ってかれた。タイトなドラムビートに乗っかるささやくような歌声が心地よい6曲目『Head on』も好きだ。

pillowsとかきのこ帝国みたいな、オルタナティブロックやライトなシューゲイザーが好きな人にはハマるんじゃないかと思う。日々の生活のちょっとした疲れをドリーミーなサウンドでそっと癒してくれるアルバム。ホントに傑作だぞ!

うかつに触ると怪我するぜ ヘッジホッグ

「女3人、21歳、ド直球バンド」


優しくしてくれるな 憐れんでくれるな
当たり前を私に当て嵌めるな

他人を突き放し、自分にも優しくなれない、そんなどこにも拠り所のない気持ちを一切包み隠さずぶちまけた曲。「いいね!」と「ふぁぼ」が飛び交い、どんな場でも他者と繋がることを求められるこの大共感時代に、ここまで孤独で愚直な歌が現れるとは。だがそもそも共感ってのは求められて生まれるもんじゃなく、自然発生するものだ。この曲からは共感を求めるどころか、むしろ「同情するなら金をくれ!」的な空気を感じるけど、飾らないバンドサウンドで吐き出される剥き出しの感情に、背中を押される人はきっといるだろう。ロックンロールは負の感情をカタルシスを伴う衝動に還元してくれる。

ヘッジホッグ、広島で結成されたスリーピースバンドである。冒頭に書いたのはこのバンドのキャッチコピーだが、あまりにもシンプルなこの三単語が全てであり、これ以上の説明は不要だ。聴け、聴いたら分かる。

ライブレポート:ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS) ひとり8

なぜかバイトのシフトが入ってなかったので行ってきた。

ライブの感想の前に、今回のライブ会場である「鑪ら場」について話したい。とにかくめっちゃ素敵な場所。キャパ40人程度でも天井が高いからか全く窮屈さを感じないライブスペース、間近で見られる1階席とゆったり見られる2階席、派手すぎず地味すぎずの丁度良い装飾、そして飯が超美味い。そこそこボリューミーな唐揚げが300円、人をダメにする空間だ…!
良い場所には良いお客さんが集まる。喫煙スペースでタバコ吸ってる若い女性はめっちゃ絵になってた、就活ミスったらここでバイトさせてもらおうかな…

気を取り直してライブ感想。素敵な空間で行われるライブはもちろん最高だった。アコギと歌だけで行われる2時間ちょっと、「ミュージシャン・ワタナベシンゴ」の底力にずっと魅せられていた
曲にまつわるエピソードを話しながら、丁寧にライブは進んでいく。売れないミュージシャンの苦悩をどっかで聞いたメロディに乗っけた『うたのおまわりさん』、バイト先での忘れられない出会いを歌った『ゆーちゃん』、もう会えない後輩に捧げた『思い馳せながら』、声が出なくなった頃に作った『ナトリウムランプ』、『札幌』『東京』という2つの故郷の曲、そして名曲『卒業証書』…彼の歌は彼がつけてきた人生の足跡そのものだ。自分の人生を歌に託して表現するその姿は、紛れもなく「生粋のミュージシャン」と言えるんじゃないかと思う。

そしてこれもライブ中に思ったんだけど、ワタナベシンゴさん、めっちゃ若い。俺より一回り近く年上のはずなのに、一緒にラーメンを食べたくなるような親近感。「好きなことに熱中してる間、人は歳をとらない」なんて話を聞いたことがあるけど、彼の中を流れる時間はバンドを始めた時点で止まってるのかもしんない、たぶん。

ライブ終わりの物販で、サークルでコピーしたことを恐る恐る伝えたらとても喜んでくれた。「また対バンしよう!」と笑顔で言ってくれた。決して順風満帆なバンド人生を送ってるわけじゃないだろうけど、これからどうなるかも分からないけど、それでも歌い続けてほしいなと、足跡を残し続けてほしいなと本気で思った。

5/12のワンマン、絶対行きます。

ブログ名変更

「ロックンロール徒然」から、今更ながら変えました

徒然してるのもあれなんで、戦線に飛び出していこうと思います。ロック界隈は常に予想外のことだらけです、だから「異常あり」。

いつ撃たれてぶっ殺されるか分かりませんが今後ともよろしくお願いします。

気まま楽曲レビュー:Mr.Children『未来』

生まれて初めて惚れた曲

小3、4?くらいの頃、ポカリスエットのCMに使われていたこの曲に、綾瀬はるかそっちのけで異様にハマり、親にCDをねだったのを覚えている。後日親が買って来たのが、この曲が入ったアルバム「I ♡U」。生まれて初めて触れたCDってのもあり、この作品には妙に思い入れがある。「ミスチルで好きなアルバムは?」と聞かれたら、これか「シフクノオト」だ。

今改めてこの曲を聴くと、ぶっちゃけ変な曲だなぁと思う。サビは爽やかだけど、Aメロ妙にごちゃごちゃしてるし、歌詞も「未来」なんてスケールのでかいタイトルの割には、凄くパーソナルなことを歌っていて、世界や人類のことより、自分のことに精一杯な感じがある。だからこそ共感できるんだろうけど。

女が運転する
車が止まって
「乗せてあげる」と言った

僕は感謝を告げて
車のドアを開いて
助手席に座って また礼を言う

しばらく走ると僕は
硬いシートに 居心地が悪くなって

女の話に相槌打つのも嫌になって
眠ったふりした

長々と引用したけど、この部分がホントに面白くて、やたら描写が具体的で桜井さんの実体験かなと感じるくらい。「未来」ってタイトルつけた曲に「女の車に乗った話」を組み込もうとする桜井さんの作詞のセンスよ。

自分を信じたなら ほら未来が動き出す

あーだこーだ言ってるけど、結局この曲って、「自分の未来は自分で変えていくもんなんだぜ!」ていう、めっちゃキャッチーなメッセージが核になってるんだよね。「女の車」の話も「他人のレールに乗っかっても居心地悪い」ってことの比喩表現と考えられるし。わかりやすいメッセージを最後に置いて、そこまでの道のりをちょっと捻くれた方法で表現した、桜井さんの才能が光る曲だと思う。無理にスケールを広げず、あくまで自分自身の未来ってところに対象を絞ってるからか、凄く説得力のある曲だなぁと、感じます。

気まま楽曲レビュー:ハヌマーン『ハイカラさんが通る』

踊れ文系男子

情景が浮かぶ曲が好きってのはもう何回も言ってんだけど、この曲もその部類だと思う。疾走感を保ったままひたすら突っ走ってる曲だけど、それに乗せて歌われる叙情的な歌詞がとにかくサイコーなのよ。

彼女は僕の知らない うるさい音楽に夢中さ

そもそも曲の主人公である「僕」と「彼女」の関係性はよくわからないけど、このフレーズだけで何となく、決して心理的な距離は近くないことが分かる。近くないどころか、「彼女」は「僕」と全く違う世界にいるのかもしれない。僕は彼女を見てるけど、彼女は僕を見ていない、その一方通行な視線が曲にどこか切なげな印象を与えている。

結局アウトロの語り(?)で「僕」と「彼女」は別々の道を歩いていく。だからこれは別れの歌、失恋の歌ともとれるんだけど、その割には全然悲観的じゃない。でもこの曲が終わった後の胸がぎゅっとなる寂しさはなんなんだ。夏の幻想に魅せられた一瞬を体感させてくれるような、確かな名曲。

公式の動画はないけど、個人的にはYouTubeに上がってるフリクリとのMAD動画がサイコーなので観てほしいってのがちょっとある…