ロックンロール徒然

独断と偏見による自己満音楽ブログ

ディスクレビュー:Mr.Children「ヒカリノアトリエ」


そうきたか…と思った。

前シングル「足跡」からアルバム「REFLECTION」そしてツアーを通して、ミスチルは改めて「俺たちは4人組でミスチルなんだ!」という姿勢を僕等に示した。だから次もてっきりバンドサウンドが強い曲がくるものだとばかり思っていた。

タイトル曲「ヒカリノアトリエ」はそんな予想とは裏腹に、アコーディオンを取り入れた超ポップな曲。ギターの音は少なめ…というかほとんど聴こえない。でもピアノとストリングスに押されてリズム隊が追いやられていた以前と違い、どこか気楽に聴くことができる。「あっ今回はこういう方向性なんだな」という感じ。

何でそう思えるのかは簡単には言えないけど、多分いろんな楽器が鳴っていながらそれがきちんとまとまって、互いに支え合って「ヒカリノアトリエ」という曲を作り上げているからかもしれない。楽器が作り出すハーモニーが、決してド派手じゃないけど確かに僕等の背中を支えてくれるこの曲の歌詞とメロディにピッタリ合っている。BUMP藤原の言葉を借りるなら「曲がこのアレンジを求めていた」ということだろうか。

それにしても、ホントに丸くなったよなぁ桜井さん。この曲を聴いて何となく思い出したのが、アルバム「BOLERO」に入ってる「ALIVE」という曲

空に架かる虹を今日も信じ 歩き続けよう
過去は消えず未来は読めず 不安が付きまとう だけど明日を変えていくんなら今 今だけがここにある
(「ヒカリノアトリエ」より)

夢はなくとも 希望はなくとも 目の前の遥かな道を やがて何処かで花は咲くだろう その日まで魂は燃え
(「ALIVE」より)

どちらの曲も先行きの見えない未来に不安を抱きつつ、それでも歩き続ける姿勢を描いた曲。でも曲調も雰囲気も全然違う、「ALIVE」の異様に暗く尖った雰囲気と比べると「ヒカリノアトリエ」は優しく、明るい。どちらも前向きな曲なのに何故こうも変わるのか…

何となく思うのは「ALIVE」の歌詞は僕等ではなく自分自身に向けられてたんじゃないかってこと。事実当時の桜井さんはまあ色々あって(色々が何かはあえて言わない!)、前向きさの裏にどこか狂気を伴う危うさ、不安定さがこの曲にあるように感じる。好きな曲だけどね

でも「ヒカリノアトリエ」は違う。桜井さん自身だけでなく、聴き手に向けても共に頑張ろうと手を差し伸べているように思える。辛いことも悲しいことも苛立ちも不安も全て受け止めた上で、「一緒に」前を向いて歩こうとしている。綺麗事に甘えない歌詞が、そしてメロディがその姿に確かな説得力を与える。過去に辛い思いをしてきたからこそ歌えることもあるだろう。並みのバンドじゃ作れないよ、この器の大きさは。

色々書いたが、聴けば聴くほど沁みてくるそんな曲。先行き不透明な今の時代だからこそ尚更響くのかもしれない。引っ張ってくれるというより背中を押してくれる、確かな決意と安心感を与えてくれる曲だと思う。

ライブ音源も良かったな〜…ライブ行きたくなった、絶対行こう。

あっ

あけましておめでとうございます…今年もよろしくお願いします