ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

youthという末恐ろしいバンドについて

群馬県、ことあるごとに「未開の地」だの「そもそも県じゃなくて国」だの散々にいじられてきた、日本屈指のオルタナ県(?)。そんな群馬にこんなカッコいいオルタナティブロックンロールがあったとは


youth 「青春のすべて」トレイラー

今回紹介するバンド、youthの1stCDのトレーラー。まず動画の説明文が凄い。弱冠17歳の少年の、この作品に込めた想いがこれでもかと綴られている。故郷のこと、バンドのこと、自分のこと、溢れ出る想いをひたすら文字に起こしたような文章には、正直まとまりはない。だがそこには、「高校生バンド」なんてカテゴリを軽々と飛び越えるほどの「凄み」がある。


youth - 夏が過ぎたとしても(MV)

そんなCDの中に入ってる曲、すっげえ名曲。
MVの中にいるのは、一瞬で終わる夏に身を委ねるあどけない若者の姿。だが歌われる言葉には、終わっていく時間と向き合う中での焦燥感、緊張感が少しも隠しきれていない。がむしゃらに今を生きていながら、一方でこの時に終わりがあることも悟っている。それでもなお今を懸命に生きようとする。「若さ」が持つ明るさと暗さをぐっちゃぐちゃに詰め込んだような楽曲だ

自分がこのバンドを恐ろしく感じるのは、バンド名にもなっている「若さ」という言葉の表と裏を、生々しくも美しく表現できるセンスを携えているからだ。もちろん17歳なんて誰もが進路だの恋だの性だのごちゃごちゃ考え出す時期。その果てにロックンロールにかぶれる人も少なくない。ただ、少なくとも当時の僕自身は、そんな思春期真っ只中の思いを表現するには、あまりにもセンスが幼すぎた。
でも彼らは違う。「若さ」を前面に押し出しながらそこに振り回され過ぎない圧倒的な表現力がある。少し歳を重ねてきた人でも、「お、良い曲」と思わせるほどの説得力がある。一体これまでどんな音楽を聴いたら、こんなにも感性が鋭くギンギンに磨かれるんだ。

前述の通りまだまだ生まれたばかりの群馬の新星。ただ曲を聴くたびに、現時点でこんな良い曲を作るんだから、あと数年経てばとんでもないモンスターバンドになってんじゃねえかと今からヒヤヒヤしている。