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ライブハウス雑記 第2回「CLUB UPSET」

前回はこちらから

 

第2回「CLUB UPSET」

 

前回から一気にキャパが小さくなって、今回は池下の街をビルの中から静かに見下ろすこの箱を紹介。

 

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池下駅1番出口すぐ、茶色い雑居ビルの5階に位置するライブハウス。エレベーターは基本使用禁止なので、入場する際はひたすら階段を昇る。

 

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空いているのをいいことに?4階のフロアは物販コーナーとして使われている。このビル、ライブハウスのほかには1階(ピザ屋)と6階(会社、詳細不明)しか入っておらず、半分はもぬけの殻なのだが経営は大丈夫なのだろうか…。

 

キャパはおよそ250人。中央に段差があり、後ろの方でももそこそこ視界を確保できる親切設計。前方でがっつり見るか、後ろで1段上からゆっくり見るか、どちらを選ぶかは君次第だ。

観客にも親切だが、アーティストにもめちゃめちゃ優しいと評判の箱。というのもキャパのわりに楽屋が半端なく充実しているらしく、畳の部屋に風呂完備、小さい庭では洗濯物も干せて宿泊も可能という、その日暮らしで生きている駆け出しバンドマンにとっては天国のような楽屋らしい。と…泊まりて―!

 

さて、そもそもこのライブハウスには強い思い入れがある。5年前、自分が生まれて初めて行ったライブハウス、それがここだ。「聴く専」だった自分に「ライブを見る楽しさ」を教えてくれた場所。あの時の体験は自分の人生の中でものすごく大きな出来事だったと言っても大げさじゃない。

 

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 その後も何度も足を運んでいる。SIX LOUNGEの爆音を通り越した「バカ音」に耳をぶっ壊されたり、バンドセットのカネコアヤノを初めて見て激情のライブパフォーマンスに衝撃を受けたり、Drop'sの物販でメンバーとのじゃんけんに勝ってポスターをゲットしたり…行くたびに何かしら強烈な体験をくれる箱だ。もしかすると名古屋のライブハウスで一番行ってる箱かもしれない。

 

名前の「UPSET」は「番狂わせ」の意、確かに自分にライブの楽しさを教えてくれたという点で、自分の人生に重要な「番狂わせ」を引き起こした箱かもしれない。これからも音楽シーンをかきまわしていく活きのいいバンドを、そして彼らの音楽に人生をかき回される音楽好きを増やしていってほしいと思う。