ロックンロール戦線異常あり

好きなものをつらつらと

最近グッときたバンド 8月号

namsk-ks.hatenablog.com

↑先月号はこちらから↑

 

また今年も夏が終わってしまいました。毎年この頃になると進みゆく日々に置いていかれているような気分になって少し不安になります。インスタに上がっている弓木英梨乃のギター動画を観ることくらいしか癒しがない。

そんなことより!少しずつ更新日が遅くなっているこのコーナーも4回目。今回は4バンドを紹介します、それではどうぞ!

 

 

1.藍色アポロ(東京)


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下北発、2000年代邦ロックを継承した勢いのあるサウンドと、孤独や焦燥感を詰め込んだ詩的な歌詞を武器に混迷の時代を駆け抜ける新進気鋭のロックバンド。昨年結成されたばかりだが、惜しくも中止になった今年のROCK IN JAPAN FESに参戦が決まっていたことからも注目度はかなり高い。

Vo.Gt.のナガイはジャズマスとテレキャスしかギターを持たない「ナンバガキッズ」とのことだが、個人的には4つ打ちの使い方やギターフレーズに初期のBase Ball Bearの影響をすごく感じた。『shinto-arts』はまさにそこの「ツボ」を押さえていて、瑞々しさあふれる中に捻くれたセンスを隠し味的に仕込んだ名曲だ。(ちなみにBase Ball Bearは超がつくほどのナンバガフォロワー)

先月紹介したpavilionやaoniなどここ最近起こっている(ような気がする)、2000年代ロックリバイバルの旗手になりそうなバンドのひとつ。これからそのセンスがどう磨かれていくかが楽しみだ。

 

312 g - EP

312 g - EP

  • 藍色アポロ
  • ロック
  • ¥1069

 

 

2.HONGKONG ETE MONKEY(東京)


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oasis直系のブリティッシュサウンドと、自堕落と性欲にまみれた生活や人間関係をテーマにした歌詞のギャップが強烈なロックバンド。

『Don't look back in anger』のようなメロに乗せて《このまま行けば確実にゴートゥーヘルだ》と歌い、『I HOPE,I THINK,I KNOW』のようなギターリフと共に《エス・イー・エックスしよう》と歌う。下世話な言葉を躊躇なくぶち込む不埒さはめちゃくちゃ聴く人を選ぶが、自らの内面を抉りとるような内省的な言葉はsyrup 16gと通じるところがあり、不思議と聴き込んでしまう。

ここまで書くと「2000年代初頭のバンドかな?」と思われるかもだが、結成はなんと2017年。むちゃくちゃ時代に逆行しているな〜と思いつつ、その潔さに逆に魅力を感じる。2枚のアルバムを出したのち2019年に解散。散々下世話な曲を歌っといて、ラストアルバムの最後の曲が『Cherry boy』というのがニクイぜ。

 

Good night,Merem - EP

Good night,Merem - EP

  • HONGKONGETEMONKEY
  • ロック
  • ¥1069

 

 

3.yonige(大阪)


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namsk-ks.hatenablog.com

つい最近記事を書いたばかりだが、ここでも。

先月何度彼女達のことを呟いただろうか。「バンドは生き物」とはよく言ったものだが、ここまで大きな変革を果たすバンドはなかなかいないと思う。

これまでも自身の音楽性を模索しているような動きはあったが、新作『三千世界』でついに完全に殻を破った。オルタナやインディーロックを基調としながらそこに民族音楽などを取り込むことで、かねてから歌ってきた「生活の匂い」に神秘性が加わり、リアルと幻想が入り混じる不思議な空気感を作り出している。

「女の子のリアルを歌うスリーピースロックバンド」という認識で止まっている方には是非今のyonigeを聴いてほしい。わかりやすい「盛り上がり」とは距離を置いているが、コロナによってさまざまな価値観が大きく揺らぐなかで、今の彼女達が鳴らすサウンドは何にも捉われない自由さと芯の強さがある。

 

三千世界 - EP

三千世界 - EP

  • yonige
  • ロック
  • ¥1528

 

 

4.Maneskin(ローマ)


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ヨーロッパ最大の音楽の祭典、ユーロヴィジョン・ソング・コンテストで優勝したことをきっかけに一気に世界的な注目を集めたイタリアのパンクバンド。「ロック/パンクといえばイギリス!アメリカ!」という風潮も未だ残る中、あまりバンドカルチャーのイメージがなかったイタリアから突如世界に羽ばたくバンドが出てきたのは少し驚き。

往年のハードロックを下敷きにしながら、そこに様々なジャンルを混ぜ込んだ懐の深さが魅力。代表曲である『I WANNA BE YOUR SLAVE』の中毒性のあるビートや、『IN NOME DEL PADRE』の早口でまくし立てるラップパートには現代的な感性が垣間見える。またライブではフレディーマーキュリーさながらの大胆なパフォーマンスを披露。Vo.デイヴィッドの性別を超越するかのような官能的な姿は時代錯誤にはなっておらず、むしろジェンダーの意識が高まる昨今の流れにマッチしているといえるかも。

先日には上述の『I WANNA BE YOUR SLAVE』のコラボver.を発表。相手はなんと今なおパンクシーンの第一線に立つでんじゃらすなじーさんことイギー・ポップ!もはや孫とおじいちゃんと呼べるほどの年齢差だが、パンクの精神が世代を超えて受け継がれていることをひしひしと感じる...

 

I WANNA BE YOUR SLAVE - Single

I WANNA BE YOUR SLAVE - Single

  • Måneskin & イギー・ポップ
  • ポップ
  • ¥255

 

今月号はここまで!

こちらのコーナーで取り上げるバンドは自薦他薦問わず募集中です!来月もよろしくお願いします!